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2018年12月10日、ガスト全店舗のドリンクバーからプラスチック製ストローを撤去しました。実はこれに先立ち、9月下旬から東京武蔵野エリアの13店舗でプラスチック製ストロー撤去を試験的にスタートしています。

大手外食チェーンとしては国内初となるこの試み、お客様を戸惑わせてしまうこともあり試行錯誤を続けています。そんなテスト運用の舞台裏や、お客様の反応、スタッフが感じたことなど、取り組んでみてわかったことをタベル編集部が取材しました。

「ストローはどこ?」のち「じゃあ要らないかな」

「正直、不安でした。お客様から不満の声が挙がるのではないかと、そうしたことも想定しながら対応を検討していましたね」

そう話すのは試験店舗の一つ、ガスト小金井前原店のマネジャー上堀内卓也さん。

ガスト小金井前原店 マネジャー 上堀内卓也さん

ところが、いざストローを撤去してみると、何より多い反応は「ストローはどこ?」というご質問だったと同店スウィングマネジャーの相良涼子さんは言います。

「特にはじめのうちは『ストローはどこにあるの?』というご質問を何度もいただきました。ただ、取り組みについてご説明すると『そういうことになったのね』『じゃあ要らないかな』とご納得いただけることが多かったです」

ガスト小金井前原店 スウィングマネジャー 相良涼子さん

「あって当然のものがなくなることに心配は否めませんでしたが、協力的なお客様が多いことに内心驚きましたね。もちろんご要望いただいてからお渡しするなどお客様にはご不便をおかけしていますが、ストロー撤去の取り組みにご理解いただけていることを実感しています」(上堀内さん)

「ストローはどこ?」というご質問が多かったこと、それにもかかわらずストロー撤去の取り組みに一定のご理解をいただけたことは13の試験店舗すべてで共通でした。

常連のお客様がマイストローを持参

最初はストローを要望されていたお客様が、しばらくすると「やっぱりいらない」となるなど、上堀内さんは少しずつ取り組みへの理解が広がっていくのを実感したそうです。

「例えば、当初ストローをお使いだった常連のお客様が、ある日ステンレス製のマイストローを持参されました。ストローがなくなったことに困っての持参かと思い『申し訳ございません』と申し上げると、『違うの、私が好きでやっているの』とおっしゃってくださったんです。私たちの取り組みをきっかけに、そうやって行動してくださるのがうれしかったですね」

「若いお客様がドリンクバーの告知用POPを見ながら『ニュースで見たよ、スタバもストローやめたんだって』と話し合っていたり、お客様同士のそういった会話は何度か耳にしました」(相良さん)

ガスト小金井前原店

理解の広がりを裏付けるように、試験店舗のストロー使用本数はだんだんと減っていきました。

ストロー撤去に関する店舗運用の舵取りを任されたガスト営業本部の鈴木一也さんは、タイミングも味方したと分析しています。テスト運用中にプラスチック製ストローに関する情報がさまざまなメディアで取り上げられたため、世の中の周知が進んだのではないかと鈴木さんは言います。

「『ストローがないのは困ります』というお声もいただいています。一方で東京武蔵野エリアだけのテスト運用にもかかわらず、全国から『この取り組みを支持します』といったポジティブなご意見をたくさん頂戴しました。裏を返せば、この取り組みに限らず、今後ますます企業が社会的責任を果たすことが求められる時代になる、これは使命なのだと身が引き締まる思いです」

ガスト営業本部ガストオペレーション推進チーム リーダー 鈴木一也さん

お客様に伝わっていない!

常連のお客様などへの理解が広まったことで当初よりは減ったものの、依然として「ストローはどこ?」というご質問はいただいています。

ご説明すれば協力いただけるケースが多いのに、ご質問いただいているということは、「こういう取り組みをしています」という告知の方法に課題があるようです。

「お客様は入口で立ち止まらないですし、混み合うこともあるドリンクバーでは告知に気づかない方も少なくありませんでした。テーブルなど、落ち着いて読める場所に置いた方がより伝わりそうだと感じています」(上堀内さん)

「初期の告知ツールは文章が多く分かりづらかったと思いますね。クーポンなどと違ってお客様に直接的なメリットがある告知ではないですし、一目でパッと意義が伝わるとお客様も迷わずに済むと思います」(相良さん)

試験店舗で浮き彫りになった課題をどう改善するか、いよいよ全店舗実施に向けた準備が大詰めを迎えます。その様子は後編でご紹介します。

撮影/大北学 取材・文/須賀翔平

後編に続く

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