「家族」と「食べる」を考える

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登別の温泉街と地獄谷の魅力をたっぷりと堪能した私パパライター。後編は待ちに待った宿での温泉タイムと、夜の見どころも少々ご紹介します。とはいえ、まだ休むには早い時間帯。温泉街から車を走らせ、あてもなくドライブすることにしました。

「第一滝本館」は登別温泉の歴史そのもの!

登別は太平洋に面しているまち。隣町の白老(しらおい)と室蘭を結ぶ国道36号線を流すだけでも、果てしなく続く大海原が眺められます。その景色は、日々の悩みやストレスも吹き飛ばしてくれるほど雄大です。

海岸線から一本北の道に入ると商店が肩を寄せ合うように並ぶ集落がいくつかあり、おいしそうな納豆屋さんやパン工房を見かけました。もし、時間に余裕があれば立ち寄ってみるのも良いかもしれません。さて、そろそろ宿へ...と思ったところで「ガスト 登別店」を発見。ちょうどノドが渇いていたので、温泉街に戻る前にコーヒーブレイクを挟むことにしました。

今回、宿泊先として選んだのは「第一滝本館」。創業者の滝本金蔵氏は、江戸時代に長万部(おしゃまんべ)に入植し、後に登別に移り住んだといいます。妻が皮膚病に悩む姿に胸を痛め、山道を分け入って登別温泉で湯治をさせたのだとか。驚くべきことに、その後は私財を投じて湯小屋や湯宿、さらに馬車運行路を整え、温泉地の発展に大きく貢献しました。つまり、この宿は登別温泉の歴史そのものでもあるのですね。

そんな宿のお話を聞かせてくれたのは、販売企画室マネージャーの歌川健太さん。まずは登別の元気について質問を投げかけてみました。

「北海道胆振東部地震の直後はキャンセルが相次ぎ、温泉街も閑散としていました。ただ、登別は被害の大きかった地域よりも西にあり、比較的早く停電も復旧。9月のうちには道内のお客様を中心に賑わいが戻り始め、ほどなく本州や海外から観光にいらっしゃる方も急増したんです。今は『北海道ふっこう割』のPRも手伝い、かなり先まで予約がビッシリと埋まっています。本当にありがたいことです」

確かにロビーを見渡すと、チェックインのお客様が列をなしています。着物姿の女性スタッフがにこやかな笑顔と元気なあいさつでお出迎えするシーンも実に印象的です。

ここ最近、「第一滝本館」は東館がリニューアルオープンし、登別温泉では唯一ワンちゃんとゆっくりくつろげるお部屋も用意したそう。ウチにはペットがいないけれど、家族と愛犬で温泉旅行に出かけられるのは安心ですね!

▲リニューアルした東館の一室。モダンで居心地の良い雰囲気です。

体が芯からほぐれる大浴場!「愛妻」な鍋にホロリ!?

登別温泉は別名「温泉のデパート」。その由来は、温泉の湧出量が飛び抜けており、9種類もの泉質が湧くところにあります。「第一滝本館」はそのうちの5種をそろえ、源泉の数は何と7つ。登別温泉の中でも随一の多彩な湯浴みが楽しめます。

「当館の大浴場には男女あわせて35の湯船をご用意しているので、体や気分にあわせた湯めぐりを楽しんでいただけます。私がオススメするのは、肌当たりがやさしいひのき風呂と、源泉そのままの金蔵の湯。どちらも癒やされますよ」と歌川さんは微笑みます。この温泉に入りたいがために何度もリピートする方が後を絶たないそうです。

歌川さんにお礼を伝え、まずは部屋で一休み。うんうん、昔ながらの旅館のたたずまいにホッとします。座椅子でくつろぎながらお茶を飲んだり、広縁(椅子とテーブルが設置してある、妙に落ち着くあのスペースです)でまったりしたり、人心地ついたところで大浴場へレッツゴー!

1500坪というだけあり、大浴場は広くてゆったりとした空間。とにかく湯船の数が多く、ひのき風呂でなめらかな湯浴みを楽しんだと思ったら、打たせ湯で背中の疲れを癒やしたり、温泉好きにはたまらないひと時を過ごせます。体が芯からほぐれていくようです~♪

実は、大浴場フロアにはお酒を販売しているコーナーもあり、冬はお盆に盃をのせて雪見酒も楽しめるんです!意外とお風呂でお酒を飲める宿は少ないですし、とってもオツですよね(私は二度目の入浴で雪見酒をしちゃいました)。

さて、部屋に戻ったらちょうど夕食の時間。今回は部屋食をチョイスし、「スペシャル膳」をいただきました。ずわいがにの酢の物や金目鯛の煮付けといった豪勢な魚介料理に、丁寧な仕事が光る海老芋まんじゅうと、ごちそうぞろいです。

とりわけ、この宿の飲泉「重曹泉」を出汁のベースにしたという「和牛愛妻鍋」は絶品!牛肉や野菜がまろやかに仕上がり、旨みが渾然一体となって口中に広がります。ちなみに、「愛妻」とは初代金蔵氏が妻の皮膚病を治したい一心で登別にやってきたことから名づけたネーミング。何だかホロリときますし、帰ったら家人を労わなくちゃ...そんな感情も湧き上がりました。

一歩進むごとに現世から離れていく感覚!?

お腹も心も満たされたところで、少しだけ夜の散策に出かけます。「極楽通り商店街」の「閻魔堂」は、10時、13時、15時、17時、20時、21時の00分になると閻魔大王が動くカラクリ仕掛けになっているのだとか(天候により閻魔堂を閉じることもあります)。どうしても気になるので、時間にあわせて出発~!

「閻魔堂」の前は、カラクリを一目見ようという観光客の方で一杯。20時ちょうどになったところ、「ゴゴゴゴ」と地響きの音響が聞こえてきました。しばらくすると閻魔様の手が動いて顔を隠し、この穏やかな表情が...

こんなに恐ろしい形相になり、腕を振り回して大暴れ!ナカナカの迫力に、動画を撮影する人もたくさんいました。

登別温泉の旅は「鬼火の路」で締めくくり。昼間に散策した「地獄谷」の遊歩道が、ほのかな灯火に照らされて幻想的な風景に様変わりするというのです。

「地獄谷」に到着すると一定間隔に設置されたフットライトが、山肌や立ち上る煙をかすかに照らしていました。この光の通路が爆裂火口跡へと続いていく光景は、美しくもあり、神秘的でもあり。夜の静寂に湯やガスが吹き出す音もクリアに聞こえ、一歩進むごとに現世から離れていくような気分も味わえました。

宿に戻り、冷えた体を温泉であたためたらココからはパパの時間!プシュッ。缶ビールをあけ、グラスにトクトクトク。一息に飲み干し、プハーッ!昼間に買っておいた「わさび漬」やかまぼこをほおばりました。しばらくして、ふと、帰りを待つ家族の姿が頭をよぎります。次は絶対にみんなを連れて来よう。そう決意して、またぞろグラスに視線を戻したのでした。

「登別に元気をもらうパパのリフレッシュ旅」では、北海道民にとっておなじみの超有名スポットから、あまり知られていない絶景まで、たくさんの魅力に出会えました。とりわけ地元のグルメや神秘的な湯沼は記憶に鮮明に残っています。もちろん、温泉もたっぷりと堪能し、心も体もリフレッシュ!明日からまた頑張るゾ、家族サービスも欠かさないゾ!そんな元気を登別の街からもらえた気がします。

地元Voice!

一般社団法人登別国際観光コンベンション協会
日栄 政人さん

登別温泉は平成8年という早い時期から海外プロモーションに乗り出し、中国や韓国、台湾などに魅力を伝えてきました。おかげで、アジア圏からの観光客が増え、年間120万人のうち、40万人ほどは海外からのインバウンドです。ここ最近では「北海道MICE誘致推進協議会」にも参加し、温泉やスポーツ誘致といった各都市の強みをお互いに紹介し、オール北海道で人を呼ぶ取り組みも進めています。北海道胆振東部地震の際は観光客が減りましたが、「元気です北海道キャンペーン」や海外への緊急PR活動を行い、7割くらいは人が戻ってきました。さらに、SNSが強力に後押ししてくれ、登別温泉の元気な写真が次々と広まっています。ここが賑わっている姿を写真に撮って、世界へ発信していただけるとうれしいです。

今回のスポットはこちら!

(①~⑧は前編でご紹介)

⑨ガスト登別店
住所/北海道登別市富岸町1丁目1-1
TEL/0143-81-7555
https://store-info.skylark.co.jp/gusto/spot/detail?code=012940&_resl=true

⑩第一滝本館
住所/北海道登別市登別温泉町55
TEL/0120-940-489
https://takimotokan.co.jp/ja/

⑪鬼火の路
会場/地獄谷遊歩道・地獄谷展望台
会期/通年
時間/日没〜21:30

※2018年11月28日の情報です。

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