「家族」と「食べる」を考える

タベル マガジン

「家族」と「食べる」を考える

タベル マガジンとは?

囲って、向き合って、楽しんで。
家族が笑顔で集まる場所「テーブル」で
美味しいお料理を「タベル」。
この日常の風景をもっと豊かにできるよう、
家族と食についての情報をまとめた
ウェブマガジンです。

みんなが大好き!なガストやバーミヤンのあのメニュー。
いったいどうやって作られている? 安全、安心はどうクリアしているの?
そんな疑問をファミレスユーザーど真ん中の親子が潜入チェック!
関東一円のすかいらーくグループの"台所"として稼働する、
東松山マーチャンダイジングセンター(以下東松山MDC)におじゃまして、
ママ目線でチェック&レポートしてもらいました!

ファミレスは家族のオアシスだから......気になることいっぱい!

今回、工場見学を体験したのは、三木芽久美さん。夏休み中のふたりの息子さん、利仁くん(8歳)と雄仁くん(6歳)も一緒です!

三木さんは、子育てのかたわら雑誌やウェブの読者モデル、趣味のDIYなどもこなすアクティブママ。
「お出かけ時や忙しい時はよくファミレスを利用します。息子たちのお気に入りはガストとバーミヤン、和食好きな私は夢庵! あのメニューたちの舞台裏を見学できるということで、ワクワクしています!」

案内してくれるのは、東松山MDセンターマネジャー・生産管理マネジャーの浅野 欧さん。よろしくお願いします!

浅野:「今日は私がご案内します。よろしくお願いします」

三木:「こちらこそよろしくお願いします! さっそくですが、ここではどんなものを作っているんですか?」

浅野:「ガスト、バーミヤン、夢庵など約600店舗でお客様に提供する食材の下ごしらえや製造を行っています。具体的にはハンバーグ、からあげ、とんかつ、ポタージュスープ、うどんつゆ、カット野菜、ドレッシング、豆腐などなど。様々なメニューを毎日作っています!」

三木:「好物ばっかり、しかもたくさん(笑) だからこんなに広いんですね」

三木さんが驚く東松山MDCの敷地面積はおよそ1万坪。約1000名のスタッフが働いており、深夜に届く各店舗からの発注を、ほぼその日のうちに作って届けているのだとか。

三木:「全部冷凍なのかと思ったら、想像以上に『作りたて』なんですね」

浅野:「お店は売れたぶんだけを発注し、我々は製造したぶんだけの原料を補充します。在庫はほとんどもたないので鮮度は抜群。朝5時にカットした野菜がその日のランチに提供される、ということも普通ですよ」

三木:「早い! それにムダも出なさそう」

浅野:「ここで集中して下ごしらえや製造をすることで、どの店舗でも素早く、安定した品質でお料理をご提供できるというわけです」

三木:「今日は色々勉強できそう。楽しみです!」

製造エリアに入る前にしっかりキレイに

製造エリアに入るには、厳しい衛生チェックが待っています。
体調確認や検温をしたのち、白衣、帽子、マスク、長靴を着用。念入りな手洗いにエアシャワーなどなど。

まずは、粘着クリーナーでホコリを取り除きます。

手洗いは指先から腕まで6カ所。石鹸は2種類を使って念入りに。
最後にエアシャワー室で微細なほこりまで除去すれば完了です!

三木:「髪の毛がはみ出してはいけないとか、白衣を着てもその上からまたコロコロをかけるとか。かなり大変! でもこの厳しさがかえって安心できます」

ガストの定番人気メニュー「チーズINハンバーグ」の製造工程を見せてもらいました!

衛生チェックが終わったら、いよいよ製造エリア内へ。
この日三木さんがいちばん楽しみにしていたのは「チーズINハンバーグ」の製造エリアです。
「息子たちに『家でも作って』って言われるんです。でもあのトロッと感がなかなか難しい。どう作るのか秘密を知りたくて!」

製造エリアの間に着くと、重厚なドアをあける浅野さん。これにまずビックリの三木さん親子。

浅野:「人通りの多い場所で誤作動なく、手より素早く開閉できるセントラルキッチンならではのシステムです」

三木:「立ち止まらずに入れてすぐ閉められるから、温度を上げたくない場所ではなるほど効率的! さっそく『工場あるある』が目撃できてちょっと嬉しいです」

そのドアの向こうにあったのは......

次々と「チーズINハンバーグ」が作り出される機械です。

三木:「あれ、なんだか最初に出てくるハンバーグの形、肉まんみたいじゃないですか?」

浅野:「そう。実は、バーミヤンの中華まんを作る機械を応用しているんですよ。あんのかわりにチーズ、皮のかわりに合いびき肉を使うんです」

三木:「ガストなのにバーミヤン? しかも中華まん?!」

パテの最初の姿は、たしかに中華まんの形! その後やさしく横から、上から何回にもわけて形を整えます。

浅野:「発売当初は人の手で包んでいたんですが、この方法を発見したことで、店舗の多いガストでのご提供が可能になりました」

三木:「なるほど~、確かに構造は同じ。最初に思いついた人、グッジョブですね!」

浅野:「店舗での調理中にチーズが漏れ出ないよう、パテの真ん中にチーズが入っているか、抜き出してチェックもするんですよ」

三木:「これこれ!このチーズ!ちゃっかり聞いちゃいますが、カットするとトロッ、そしてググッと伸びるのは、どんな秘密があるんですか?」

浅野:「チーズは10種類を使ってコク、濃厚さ、まろやかさを出しています」

三木:「10種類も! なるほどウチのピザ用チーズだけじゃ難しいはずです......」

浅野:「10種類に進化したチーズに負けないよう、パテも牛肉の比率を高め、さらに美味しくなっています」

三木さん、おいしさの秘密に納得のご様子です。

母の鏡?! モットーは"出来合いでなく原材料から手作り"

豊富なメニューがお手頃価格でいただけるファミレスにあって、「すかいらーくグループでは『手作りのおいしさ』を大切にしています」と浅野さん。
ソース類なども含め、ほとんどのものはメーカーから完成品を買うのでなく、自社で作っているのだとか。
その現場を目撃すべくタルタルソースの製造エリアへ!

タルタルソースはゆで卵作りから! 蒸された卵が殻つきのまま殻むきマシンに入り、コロコロと進むと......

ポンポン! むかれて出てきました!

みじん切りになったあと、たまねぎ、レモン汁、マスタード、マヨネーズなどをあえ、オリジナルタルタルソースの完成です。

三木:「ガストのエビフライにかかっているタルタルソース、大好きです! どのメーカーかしらと思ったら、まさかの自家製とは」

浅野:「手作りしたほうが断然おいしいですからね! 色々なソースのもとになるドミグラスソース、ドレッシング類など計60種類以上を、すべてオリジナルで作っています」

三木:「ウチは市販品使ってます(笑) すごい手間だなぁ」

浅野:「ちなみにタルタルソースは卵を蒸してゆで卵にしますが、「温泉卵」はお湯につかってもらって半熟に仕上げています」

と案内してくれたのは、温泉卵を作るスペース。

66度20分の温泉旅行で生卵が「温泉卵」に。「たまごがお風呂入ってる~」という利仁くんに「お風呂上りは冷やしうどんに直行がいいよね!」と三木さん。 

卵がずら~っと並ぶ様子は圧巻! このあと関東一円のすかいらーくグループの店舗へ。

三木:「でも浅野さん、卵だけでもこの量でしょう? 正直業者さんから仕入れたほうがラクじゃありません?」

浅野:「ラクよりおいしさ。それに手作りしたほうがお安くご提供できますから。出来合いのものは極力使わない。それがすかいらーくグループのおいしさへのこだわりです」

三木:「それって理想の母親像かも。頭が下がります!」

なければ作る! 職人直伝の豆腐作りは、自社開発マシンが活躍

次に見学するのは「おぼろ豆腐」の製造エリア。まっさきに目に飛び込んできたのは大量の大豆!

三木:「まさか、お豆腐も大豆から手作りとか?」

浅野:「はい、豆腐作りの名人のもとにスタッフが修行に出て、学んだ"職人の技"を再現しています。職人さんの手と同じ動きをする機械も、手作りしたんですよ」

出来上がった豆乳ににがりを混ぜる、絶妙な上下運動を再現したマシン、愛称「ワンツー」。豆腐職人さながらの動き!

三木:「機械まで手作りしてしまうとは!」

浅野:「東松山MDCの敷地内には工房があります。現場の『職人のこの動きを再現したい』『この味を作るにはこんな仕組みがいる』といった想いを、素早く形にするためです。『働く人の身長にあわせて高さを調整したい』などのリクエストにも、すぐにこたえられるんですよ」

東松山MDCの敷地内にある機械を製造する工房「ママズハンズ」。現場のリクエストに細かく応える作業スタッフは店舗での調理経験者もいるそう。

三木:「DIY好きとしては、セントラルキッチン内に町工場的な機能が併設されていることに興味津々です」

浅野:「もちろん大きな機械はメーカーさんにお願いしています。でも小回りのきく工房が敷地内にあれば、スピード勝負の新メニュー作りや、急な修理などに素早くしかも安価に対応することができますからね。このように徹底的にコストを抑えることで、お客様に価格以上の価値あるメニューを提供できるのです。」

三木:「うーん、多種多様なプロフェッショナルの方々と、企業努力とでささえられている料理の数々......ちょっと安すぎるような気がしてきました」

抜き打ちの品質チェックも行なうから安心

最後は安全・安心のカナメである「衛生検査室」を見せてもらいにセントラルキッチン隣の建物へ。
すかいらーくグループで提供する食材の検査を年中無休で行っている場所です。

1日平均100以上の検体をチェックしているのだとか。

浅野:「この『衛生検査室』では365日、あらゆる原料や製品、さらに店舗からもランダムに食材や調理備品の検体を持ち帰って細菌数などをチェックしています。検査する検体は年間で12万以上、これは外食業界でNo.1です」

三木:「お店の調理備品までも抜き打ちで調べているんですね。当たり前のように『おいしい』『安全』なのは、こうした地道な努力があってこそなんですね」

浅野:「召し上がっていただくお客様に『安全な品質であること』を保証する仕事には、現場も最大限に取り組んでいます」

三木:「どんな取り組みをされているんですか?」

浅野:「『品質保証カード』を作って工程毎の品質基準を管理しています。この工場で作っているハンバーグは、固い骨などの混入がないようX線と人の目でダブルチェックする、など。すべてはお客様にとって、すかいらーくグループは「安全で安心」という気持ちで、お店にご来店いただき、楽しくお食事いただける場であり続けるためです」

三木:「子どもからお年寄りまで、お店で安心して食事ができるのは、工夫と気遣いの積み重ねがあってこそなんですね。安心できます!」

細菌の恐ろしさ、手洗いの大切さを子どもにもわかりやすく説明する紙芝居資料も用意。
利仁くん、雄仁くんも、真剣に聞き入っています。

徹底的な品質・安全管理に尊敬すら覚えました!

見学を終えた三木さんからは、「今まで"お手頃でおいしい"から好きだったガストやバーミヤンに、『価格以上の価値がある』という認識が加わりました」との感想が。

「おいしくて安いって、どんなからくりがあるんだろうと思ったら、原料から手作りする、当たり前だけど面倒なことに正面から取り組んでいたことに驚きです。知恵を絞って、人の手と機械のいいところを両立させるとか、足りない道具は自分で作って前に進む姿勢を、子どもたちにも見せてあげられてよかった。楽しかった、おいしかったという言葉では終わらない、『尊敬』を感じる工場見学でした!」

撮影/土屋哲朗(主婦の友社)、取材・文/和田玲子

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